君の瞳‐ヒトミノオク‐



 あたしは犠牲になんかなってやんない。

 それもこれもただの布石。

 ほら…あたしの手のひらで踊れ。










 教室は相変わらず静か。

 あたしの机には悪口が書かれていた。

 『人殺し 消えろ 陰湿女』などなどー。

 んー…突っ込むとしたら死んでないし、陰湿じゃないし。

 とりまどーでもいっかぁ。

 そのまま中に教科書を入れて椅子に座る。


「ふあー…」


 あー眠い。


「よお、お前よく学校来れんなぁ」


 そういえばアレ、浩司にお願いしたら作ってくれるかなぁ…。

 あ、でも何してんのか聞かれそうだからめんどくさいか…。

 だったら仕方ないけど買ってー……あれ、潮持ってたっけ?

 確か誕生日にもらってたような…。


「おい、聞いてんのかよ!」


 だったら潮の奪おー。

 そっちのほうが手っ取り早いし。

 じゃあ今日言うとして、明日から…


「おいっ!!」


―ガンッ


「……何」


 机を蹴られて、仕方ないから頭を上げる。

 しつこい男は嫌われるよー。

 あ、だからモテないのか。



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