君の瞳‐ヒトミノオク‐



「なっ…こ、れ…くそっ!」

「まだまだだねー」


 立ち上がって鞄の中からお弁当を出す。

 どこで食べよっかなー。


「どこ行く気だっ」

「は、昼食食べに行くに決まってんでしょ。
 そんなこともわかんないわけ?」


 頭脳幼児並みなんじゃないの?

 あ、幼児のほうがまだましかー。

 だったら乳児並みくらい?

 どっちにしろ相手する程のもんじゃないけど。

 100年早いって感じー?

 あーもう、ベタベタする。

 ご飯食べる前にシャワー浴びよう。

 堂々と歩いて教室を出る。

 オレンジっぽいシャツはやっぱ目立つみたい。

 ストックあるから問題ないけどー。

 あたし、水泳部で良かったわ。

 廊下中の生徒から指を差されて見られる。

 せんせーでも通ってくれたら好都合なんだけど。

 昼休みだからか、生徒しかいない。

 ま、ギャラリーは多いほうがいいんだけどね。

 あの女もやりやすいだろうし。

 誰にも声をかけられずに、部室に着いた。



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