君の瞳‐ヒトミノオク‐



 2‐3所属の水泳部部員。

 去年は自由形で優勝した、ホープ。

 …けど肩壊しちゃって、今はマネージャーやってる。


「叩かないでくれる!?
 バカになるじゃんっ!!」

「すでにバカだろ」

「うっざ!」


 あたしと孝平は軽く天敵。

 孝平も結構言ってくるから、話終わんないんだよね。

 水泳でだってライバルだったし。

 その分、お互いのことよくわかってるんだけど。

 荷物を持ち直す。

 こいつらのせいで全然着替えらんないし。


「…礼央」

「ん、何?」


 孝平の目をレンズ越しに見る。

 …孝平の目って、キライ。

 何考えてんのかわかんないし。

 全部見透かされそうだから。


「…俺らは、お前の味方だから。
 安心して暴れてこい」


 震える腕をもう一方の腕で抑え込む。

 …ほら、見透かされてる。



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