君の瞳‐ヒトミノオク‐



 けど何も言ってはこないから。

 あたしはあたしのしたいようにする。


「なーに言ってんの。
 どっかに頭ぶつけたんじゃない?」


 拳を作って孝平の胸を軽く殴る。

 甘いこと言わないで。

 決心が鈍るから。

 恭平と亜依那にも笑い掛ける。

 あたしは大丈夫、だから。

 そんな顔しないでよ。


「ちょっとあんたたち、何ちんたらしてんの!
 樫崎はさっさと着替える!」

「はいっ」


 部長に言われてさっさかシャワー室に入る。

 その間にまた恭平と亜依那の会話が聞こえて笑った。

 あたしは、大丈夫。

 わかってくれてる人がいるから。





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