君の瞳‐ヒトミノオク‐



 そう思ってちらっと見ると、あの女がいた。

 ふーん…やっと来たんだ。

 たいした怪我でもないくせにねー。

 優介と目が合って、笑いながら手を振る。

 …あら、目ぇ逸らされちゃった。

 ま、いいけど。

 机の中はー…わお。

 机の中に、何かいた。

 けどチキンなあいつらが虫触れるはずないし…。

 出してみると、スライムだった。

 懐かしいー、小学生の時よく遊んだわぁー。

 潮の顔にくっ付けたりして楽しかったなー。

 机の上に乗せておく。

 クモの形しててかっわいーっ。

 机の上は相変わらず暴言のオンパレードだけど。

 さて…準備のために、クセを作っとかないとね。

 両手をカーデのポケットに入れる。

 入れてあるモノを確認して、ほくそ笑んだ。

 あたしがやられっぱなしなわけないじゃん?










「センパイってー、ほんとにマドンナ突き落としたんですかー?」


 直接そう言って来たソイツを、思わず凝視した。

 さらさらの黒髪に気だるそうな同じ色の瞳

 背は伸びきってなくて、あたしよりちょっと小さいその少年。



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