君の瞳‐ヒトミノオク‐



――香月 旭(コウヅキ アサヒ)

 一応あたしの親友。

 さすがにあたしのしてることには反対してくるけどねー。

 前の席に座ってあたしを見てくる。


「礼央さぁ、いい加減諦めなよ。
 彼女いんのにタチ悪いよ?」

「だから何?
 好きなんだからいいじゃん」

「だっかっらっ!
 あんたが恵那の立場だったらどう思うか考えなよね」

「しーらない」

「ったく…!」


 あいつのことなんて知らない。

 あたしが思うのは優介だけだもん。

 睨んでくる目も、陰湿ないじめも気にならない。

 好きな人のそばにいたいって思って何が悪いの?

 そばにいなきゃ好きになってもらうのなんて絶対あり得ないじゃん。

 だからあたしは優介のそばに行く。

 誰になんと言われようと、この気持ちは変わらないから。

 机に突っ伏して寝る。

 優介は今でも覚えてるかな?

 あたしたちが初めて会った日のこと――…










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