君の瞳‐ヒトミノオク‐



「ヤキモチ妬いちゃってー」

「弟ォォォォォ!!!!」


 ま、いーや、練習しよー。

 準備運動をして飛び込み台に上る。

 いつものことだけど、恭平の叫びは無視。

 1回深呼吸して、飛び込んだ。

 何も聴こえない、水の中。

 無心で泳ぎ続けた。

 それは、覚悟に似ていた…。










 部活が終わって、いつもの4人で帰る。

 この時間は結構楽しい。


「あ、プリント忘れたっ!
 ちょっと孝平付き合って!」

「はあ?仕方ねぇな…パッと行ってパッと帰るぞ」

「いってらー」


 正反対のテンションの2人を送り出す。

 泳ぎまくった亜依那よりマネの孝平のほうが何で疲れてるんだか。

 下駄箱の段差に体育座りして待つ。


「あ、恭平ジュース奢って」

「はあ!?何で俺が!」

「賭けてきたのそっちじゃん」


 今日の部活で恭平と礼人くんがタイム図ったら、0.3秒差で負けたんだよね。

 だから恭平はあたしにジュースを奢らなければならないのですよ。

 だってあたし礼人くんに賭けたし。



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