君の瞳‐ヒトミノオク‐



「はあ…何がいー?」

「んー…」


 歩き出した恭平の後を追う。

 自販機の前でお金を出してる内に何にするか決めなきゃ。

 カフェオレかりんごかピーチかオレンジ…うーん。


「ほれ、100円」

「ん、どーも」


 こーゆーときは…これしかないでしょ。

 100円を入れてカフェオレとりんごのボタンに指を置く。


「恭平、ピーチとオレンジ」

「へいへい」


 恭平が指を置いたのを確認する。

 よし…同時押しっ!


「せーのっ」


―ピッ

 落ちてきたのはピーチだった。

 ストローをさして1口飲む。


「うまー」

「そりゃよーござんした」

「はは、はい1口」

「は…っ」


 首を傾げながらジュースを差し出す。

 奢ってもらったんだし、1口やるの普通じゃん?

 亜依那とか孝平のときもそうだし。

 イマイチ恭平は慣れてくんないけど。


「いやっ…俺はいいって!」

「何で?恭平好き嫌いないじゃん」

「そーだけど…!」


 …変なの。

 ストローを噛んで飲む。

 これ、癖なんだよねー。

 あ、癖って言えば…。



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