君の瞳‐ヒトミノオク‐



 カーデのポケットに手を入れて、中を探る。

 うん、ちゃんとあるね。

 話し声が聞こえてきて、廊下の先を見る。

 …やっぱり亜依那と孝平だ。


「あ、礼央なんか飲んでるー」

「恭平に奢らせた」

「今日の賭けのやつ?」

「うん」


 鞄のとこまで移動する。

 恭平はただいま空気になっております。

 あ、そーだ。


「2人も飲む?」

「いるー!あ、ピーチじゃん」


 亜依那が1口飲んで、孝平に回す。

 孝平も躊躇なく飲む。

 やっぱ遠慮してんの恭平だけだし。


「つか孝平飲みすぎ!」

「いいじゃん、恭平の奢りだろ」

「そーだけどさー」


 戻ってきたジュースは半分しかなかった。

 孝平うざっ!


「お前はストロー噛む癖直せよ」

「うっさい。てかね、恭平遠慮して飲まないんだけどー」


 そう言うと、顔を見合わせて納得する2人。

 何…意味わかんないし。


「そりゃあなぁ…」

「…うん、まあねぇ」

「言えよーっ!!」

「いででっ」


 恭平の髪を掴む。

 痛がってるけど無視!



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