君の瞳‐ヒトミノオク‐
殻が割れて、中身が制服に付く。
…生卵かよ…はあ。
よくこんなこと思い付くよねー。
幼稚な頭脳に拍手喝采だよ。
「何か言えよ?ハハッ」
そいつに合わせて周りの奴等もバカ笑いを始める。
バカ女共もクスクス笑い。
ふ…目、笑ってないし。
目だけ動かしてあの女を見た。
優介に隠れてこっちを見てる。
あんたの望み通り?…なんてね。
「み、みんな…やめてっ!」
優介の後ろから出てそう言う。
はー…やっぱイライラする。
優介がこいつを選んだってことも含めてだけど。
…あと、少し。
あと少しだからね、優介…。
「何でこんな奴のこと庇うんだよ!
恵那ちゃんのこと突き落としたんだろ!?」
「そ、それは…っ」
はいはい、くだらない茶番どーも。
全然面白くないけど。
ヘドが出そう。
「ごめん恵那ちゃん!
礼央にはあたしから言っとくから…」
「香月さん…う、うん」
「はあ…あたし行くから」
他の奴等はどうでもいい。
だけど、優介にそんな風に見られるのはキツい。