君の瞳‐ヒトミノオク‐
一応あたしも女の子なんでー。
「礼央…っ」
「待てよ!!」
避けきれなくて、額に生卵が当たった。
ぬるーい…てか誰が持ってきたんだ??
ごくろーなこった。
無駄な労力だけどね。
垂れてくるのを無視して、そいつを見る。
「これで満足?」
「…っ」
ま、やられっぱなしは趣味じゃないしね。
この借りはいつか返してやろう。
もちろん100倍返しで。
そのまま教室を出れば、例の如く見られた。
…ま、これも作戦のうちですから。
それにしても、あたしB型でよかったと思うんだ。
じゃなきゃこんな視線耐えらんないし。
今更だけどねー。
「っ…礼央!?」
「あ?…あ、恭平」
と、後ろに亜依那と孝平もいる。
あー…生卵、付いたまんまだし。
恭平と亜依那は言いくるめられるけど、孝平はどうだろな…。
「それどうしたんだよ!?」
「ま、ちょっとね」
「ちょっとって…!」
亜依那の頭を撫でて抑える。
あたし7組だし、クラスはなれてるから話あんまり行ってないんだ。