君の瞳‐ヒトミノオク‐



 一応あたしも女の子なんでー。


「礼央…っ」

「待てよ!!」


 避けきれなくて、額に生卵が当たった。

 ぬるーい…てか誰が持ってきたんだ??

 ごくろーなこった。

 無駄な労力だけどね。

 垂れてくるのを無視して、そいつを見る。


「これで満足?」

「…っ」


 ま、やられっぱなしは趣味じゃないしね。

 この借りはいつか返してやろう。

 もちろん100倍返しで。

 そのまま教室を出れば、例の如く見られた。

 …ま、これも作戦のうちですから。

 それにしても、あたしB型でよかったと思うんだ。

 じゃなきゃこんな視線耐えらんないし。

 今更だけどねー。


「っ…礼央!?」

「あ?…あ、恭平」


 と、後ろに亜依那と孝平もいる。

 あー…生卵、付いたまんまだし。

 恭平と亜依那は言いくるめられるけど、孝平はどうだろな…。


「それどうしたんだよ!?」

「ま、ちょっとね」

「ちょっとって…!」


 亜依那の頭を撫でて抑える。

 あたし7組だし、クラスはなれてるから話あんまり行ってないんだ。



< 50 / 91 >

この作品をシェア

pagetop