君の瞳‐ヒトミノオク‐
「んじゃ解散!」
「お疲れさまでしたーっ!」
もうちょっと練習したくて、プールに寄る。
やり過ぎるわけにはいかないけど。
「樫崎センパーイ」
「礼人くん、何?」
「まだやるんですかー?」
気だる気な瞳を見る。
高校入ってから初の大会なのに、緊張しないのかな。
あたし、ガチガチに固まってたなー。
中学と高校の差が怖くて。
ま、余裕だったけど。
「泳ぎ足りないんだよねー」
「身体壊しますよー」
「へーき、礼人くんも泳ごうよ」
水の中に入って、礼人くんに水をかける。
「わっ…遊ぶんなら大久保センパイにしてくださーい」
「弟ォォォォ!!!!」
「ははっ」
久しぶりにバタフライをしてみる。
んー、やっぱ違和感あるな。
クロールが1番だわ。
そうそう、恭平はバタフライの選手なんだよね。
亜依那は背泳ぎ。
息継ぎが出来ないんだってさ…意味わかんないけど。
で、あたしと部長と礼人くんとかが自由形。
あとフリーとメドレーに出るんだっけ。
孝平がいれば…なんて、考えちゃう。