君の瞳‐ヒトミノオク‐



 低く響く洋楽の効果か、眠くなってきた。

 重たい瞼を重力のまま下ろす。

 明日、終われば…一段落つく…。










 遠くから聞こえてくる声に意識を浮上させる。

 美味しそうなお肉の匂い…カツ丼かなぁ…。

 目を開けるとあたしはソファーに横になっていた。

 目の前で背中を向けて潮がゲームをしてる。

 なんとなく、その背中を蹴ってみた。


「ぃったぁ!…礼央姉が起きたー」

「じゃあご飯にしましょうか。
 礼央、手を洗ってきなさい」

「ふぁーいっ」


 欠伸をしながら返事をする。

 どんくらい寝てたんだろ…あ、でもまだ7時過ぎだ。

 そこまで寝てないみたいだし、よかったー。


「おー礼央、よく寝たか?」

「まあねー運んでくれてありがと」


 兄貴に頭を撫でられながら言う。

 うん、兄貴って感じ。

 浩司は兄貴とは大分違うし。

 手を洗いながら鏡を見れば、あたしはシャツを脱いだ状態だった。

 スカートシワ寄ってるし…また乙音に怒られるー。


「浩司ー乙音ー飯ー」

「「はーい」」



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