君の瞳‐ヒトミノオク‐
リビングに戻る途中で浩司と乙音に会った。
この2人もよく似てるよねぇ…。
「お姉おかえり、…ってまたしわ寄ってるし…!」
「あは、ごめん」
「乙音に迷惑かけるなよ?」
「浩司うるさーい」
「浩司“お兄ちゃん”!!」
はいはい…何でそんなにお兄ちゃんって付けたがるかな。
まあ無視だけどー。
夕飯はやっぱりカツ丼だった。
久しぶりに7人揃ったからかテーブルがきつい。
母さんは嬉しそうだけど。
「手と手を合わせて、いただきます」
「いただきます」
「明日は礼央の県大会予選ですからね、みんなで応援に行きますよ」
「はい」
ところどころ話ながら食べる。
ちゃんと口の中の物飲み込んでからね。
うちそういうしつけ厳しいから。
「潮、絵のほうは順調?」
「うん、まあね。
あと少しで完成なんだけど…」
父さんに聞かれて答える潮。
ちらっと見たけど、細々しすぎて見る気失せるんだよねー。
「あんな細かいのよく描く気になるよねー。
さすか根暗だわ」