君の瞳‐ヒトミノオク‐



 脚を上げて蹴るフリをする。

 乙音は蹴ったことないけど、浩司や潮で威力は知ってるはず。

 冗談だってわかってるのか、笑う乙音。


「お姉、女の子には優しいじゃん。
 わかってるから怖くないよ」

「…ちっ」


 まあ敵には厳しいけど。

 それに女の子じゃなくって仲間には、だから。

 なんたってレオだし?

 百獣の王ですから。


「これ買ってくる。
 ちょっと待ってて」

「りょーかい」


 周りの雑貨を見ながら待つ。

 誕生日の奴とかいなかったよね?

 てかあんまお金ないし!

 あ、そーいえば優介の誕生日っていつだっけ?

 えっと…5月18日…。

 て明後日じゃん!!

 うわ…何か買っていかなきゃ!!

 何がいいかな…優介の好きなもの…うーん。

 運動部だけど…タオルって使うかな?

 うちらじゃあるまいし…。

 てか弓道ってあんま汗かかなさそうだけどどーなんだろ?

 雑貨もなぁ…優介ってあんま使わなさそうなんだよね。

 文房具もシンプルだし。



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