君の瞳‐ヒトミノオク‐



 頭がいい乙音には、あたしの置かれている状況がわかってしまったらしい。


「お姉…っ、優介さんってお姉の好きな人でしょ?
 どういうこと?
 もしかしてお姉…」

「いいから!…材料買って帰るよ」

「……」


 …よし、黙った。

 このまま食品コーナー行って帰ろう。


「ねえお姉、もしかしてだけど…っ、お姉に限って、ありえないと思うけど…っ」

「黙って」

「お姉、いじめられてるの…っ?」

「黙ってっつってんでしょ」


 あーあーばれちゃったし。

 あいつら、どうしてやろうか…。

 今日はアレ持ってきてないし。

 明日以降に仕返ししとくか…。

 仕返しはもちろん、100倍返しでしょ?

 乙音にバレたら面倒だから隠してたのに。


「あたしは大丈夫だから、ね?」

「……」










 ベットのそばのローズクォーツを取る。

 …乙音にバレるとか、予想外だった。

 まあ誰にも言わないと思うけど…。

 もし兄貴たちに言われたら…面倒かも。

 乙音と潮以外には好きな人には彼女がいるってしか言ってないし。



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