君の瞳‐ヒトミノオク‐



 ヘラっと笑いながら軽く謝る。

 正常だったらこんなにつけるはずないしね、うん。


「なっ…まじむかつくんだけど!
 ふざけんなよっ」

「うっわ唾飛んだ。
 お前がふざけんなよ」


 じっとり睨み合う。

 案外根性あんじゃんか…このケバ女。

 まああたしに比べたらまだまだだけどね。


「矢嶋くんは恵那の彼氏なんだよ!
 出しゃばってくんなっつーの!」

「だから何!?
 あんな女に優介は似合わないっつーの!」

「だからってあんたも……あっ」

「あん?」


 気まずそうな目に視線を辿れば優介とあの女がいた。

 わーっ、あたしの愛の告白聞かれちゃった!?

 てーれるーのよーんっ!!

 まあ聞かれても困らないけど、アハッ!


「樫崎…お前、いい加減にしろよ」

「は、何が?ほんとのこと言っただけだし」


 あんな女が優介に釣り合うかっつーの!

 ハッ、まじ笑えねぇ。


「ひ、ひどい…っ!」


 涙目であたしを見てくる。

 あーまじうざい。

 消えればいいのに。



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