君の瞳‐ヒトミノオク‐



「…あたしはあんたが優介の彼女とか、認めてないし。
 いい加減別れろよ」

「っお前にそんなこと言われる筋合いない!
 恵那は、俺の彼女だ!」

「そうだ!お前にそんなこと言う資格ねぇんだよ!」

「部外者が口出ししてくんじゃねぇ死ねクソがっ!」


 …あー優介の目の前でしねとか言っちゃったし。

 口悪、とか思われそう。

 まあとにかく昼飯昼飯。

 1組行けば3人共いるかな。


「おい、どこ行くんだよ!」


 肩を掴まれる。


「昼食べに行くに決まってんでしょ」


 つか細いんだから触んなし。

 思いっきり手をはたく。

 どっかの誰かさんと違って贅肉とかないし。

 あ、弁当箱鞄に入れとこ。

 きっちり蓋を閉めて鞄に入れる。

 昼休みの廊下は騒がしいけど、あたしを見る目は冷たい。

 いい感じに噂は広まってるってことね。

 もっと広がれば好都合なんだけど。

 1組に着く前に、見慣れた後ろ姿を見付けた。

 なんとなく助走を付けてその背中に飛び付く。



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