君の瞳‐ヒトミノオク‐



「メシは?」

「まだ。恭平にたかろうと思って」

「…なんかあったのか?」


 頭を撫でられながら孝平に聞かれる。

 亜依那と恭平はいつも通りじゃれてる。


「別に?つか腹減ったから食べよーよ」

「…そうだな」


 2人を呼んであんぱんとコロッケパンをもらう。

 んーうま。

 お金は…手持ちないから明日。

 昼休みギリギリまで喋って7組に戻る。

 あたしが入った瞬間に始まるクスクス笑い。

 机…なくなってるし。

 ふむ…まあ、たいしたもん入れてないからいいけど。

 私物は鞄の中に入ってるし。

 …ま、いっか。

 次担任の授業だし、好都合。

 くるりと向きを変えて教室を出る。


「っと、樫崎?
 授業始まるから教室入れよ」

「あ、せんせー?
 それがあたしの机と椅子無くなったんで、サボります」

「なく…さぼ…って、おい!
 お前らいい加減にしろよ!
 どこにやったんだ?」

「知りませーん。
 その人が勝手に言ってるだけじゃないですかー?」

「あははっそれうける!」


 うけねぇよ。



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