王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
 お前のせいだよ。

 俺は足を止めて姫野の方を向いた。

 そして姫野の目を見た。

「お前があいつと親しげに話してんのを
見て苛立ったんだよ」

 俺の言葉を聞いて姫野は目を見開いて
驚いていた。

「ごめんね光君?」

「なんで謝んだよ」

「なんとなく」

「・・・・」

 沈黙が続く中、俺は歩き始める。

 姫野は後ろから小走りでついて来る。

 
 俺らは部屋に戻るまで一言も喋らなか
った。

「ただいま~」

「おかえりみやび!どうだった?」

「楽しかったよ」

 姫野は笑顔で言った。

 その笑顔に俺の胸が締め付けられる。
 
 なんだこの気持ちは?

 初めての感覚だ・・・。

「どうした光?座らないの?」

 俺は立ち尽くしていたことに気づいた。

「ああ」

 そして俺は座った。





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