王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
「なに?」

「離してくれる?」

 離れたくない気持ちのほうが大きいけど
しょうがない。

「なんで?」

 なんでって・・・。

「動けないから」

 あたしがそう言うと光君は大きくため息
をついた。

「覚えてないんだ」

「なんのこと?」

「別に・・・」

 光君怒っちゃった?

 あたしが怒らせたの?

「光君あたし何か悪いことしちゃった?」

 あたしがそう聞くと光君は不機嫌そうに
「した」とだけ答えた。

「ごめんね光君」

 何したか記憶にないけど。

「・・・・」

 怒ってる・・・。

 そう思うと涙がでてきた。

「うっ・・・・」

 それに気づいた光君は焦りだした。

「わっわりぃ、泣かすつもりじゃ」

 光君がそう言いかけると誰かがそれを遮
った。

「みやび泣かした~」

 遮ったのは美里だった。



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