王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
「いらっしゃいませ!」

 あたしはそう言いながらお客さんの所へ
と向かった。

 近づくにつれてお客さんの顔が見えてく
る。

 あれ?どこかで見たことがある顔だな~。

 そしてあたしはさらに近づいていくとそ
れが誰だかが分かった。

「えい・・・ちゃん?」

「みやび?」

 えいちゃんと会うのは光ちゃんの誕生会
を開いた日以来だった。

 そういえば光君の名前どこかで聞いた覚
えがあると思ったら光ちゃんと同姓同名じ
ゃん!ていうか今こんなこと考えている場
合じゃないや。

「みやびの知り合い?」

「うん、幼馴染」

「へぇ~そうなんだ~、まぁ~とりあえず
ご注文は?」

「グラタンで」

 えいちゃんって相変わらずグラタンが好
きなんだ~。

「はい、かしこまりました~」

 そしてあたし達はそこから去った。

「みやびの幼馴染カッコイイねぇ~」

「そうかなぁ~」
 
 そんなこんなで色々と大変なことがあっ
たけど、初のバイトは無事に終わった。

 店を出るとそこにはえいちゃんが居た。

「えいちゃんなんで居るの!?」

「みやびの友達にいつ終わるか聞いた」

「美里~!」

「いいじゃん別に~。あっ自己紹介が遅れ
たけどあたしの名前は柊美里よろしくね」

「俺は高坂栄介。こちらこそよろしく」

 美里ちゃっかりしてるな~。

「ねぇ~えいちゃん」

「なに?」

「あたしに用事があったんじゃないの?」

 それなのにあたしをほったらかして美里
と自己紹介始めるし。

「ああいや別に用はないんだ」

「え?それじゃーなんで待ってたの?」

「なんとなく」

 えいちゃんは少し顔を赤らめて言った。

 変なえいちゃん。

「それじゃー一緒に帰ろっか~」

「ああ!」

「え、えいちゃん?」

 急に声が大きくなるからびっくりした~。

 そしてあたし達が行こうとした時、店の
社員用のドアが開いた。

「光君」

「何だお前らまだ居たのか」

「光君も一緒に帰らない?」

『え?』

 あれ?今、2人の声が聞こえたような・
・・。
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