空唄 ~君に贈る愛のうた~
「花音覚えてないかもだけど、8年前の今日。
俺告白しようと思って公園に行ったらパトカーや救急車が来てて。
大人を掻き分けて行ったその先に、花音と……海斗兄がいた。

あん時俺ほんと子どもでさっ、何も出来なかった。
見てるだけだったんだ。……ごめんな?」


申し訳なさそうに謝る遥に、ぶんぶんと首をふった。


「遥は謝らないで?
私こそショックで忘れてたとはいえ、誰?なんて言っちゃって……ごめんね」


きのうはなしを聞いてから、ずっと謝らなければ……と思ってた。

仕方なかったじゃ片づけられない程、残酷すぎた言葉。

ほんと申し訳ないな、って。


「んーっと、じゃあお互いこれでチャラなっ。
もう謝るのはなーし」


明るくそう言われて、胸につっかえていたものが軽くなった気がした。


「ありがと、遥」


自然と口に出た感謝の気持ちに、遥は柔らかく微笑んで


「こっちこそありがと。
最期に花音といれるんだから、なんの悔いもない」


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