空唄 ~君に贈る愛のうた~
家に帰っていつも通りご飯を食べて、お風呂に入って……


「はう~」


ベッドにダイブすると、いつもなら一気に眠くなるはずなのに
その日は頭が妙に冴えていた。


「あっ、」


―手紙……


由紀恵からもらって、引き出しにいれて置いた遥からの手紙。

体を起こして自分の机まで行くと、椅子をひいて座る。

引き出しをあけると束になった手紙が出てきた。

とめてあった紐を解いて、いちばん上の少し黄ばんだ封筒を手にとった。

破けないように封をきり中の手紙を取り出す。

見ると男の子らしく、汚い字で一生懸命書いたのが伝わってきた。


…………・・・・・・・・・

お元気ですか?
オレは元気です。

てか、久しぶり。
オレが引っこして
2年経つんだな。
早いもんだな。

そういえば花音も
引っこしたんだろ?
あの団地はほんと
たのしかった。
あっ、ごめん。
変なこと言って…

あっ、新しいとこはどうだ?
花音は人見知り
だから心配だよ。
また手紙書くな。

…………・・・・・・・・・

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