空唄 ~君に贈る愛のうた~
「あは、遥って変わってないんだな」
自分が知ってる遥と、この手紙を書いた遥は紛れもなく同一人物なんだ。
なんて思うと不思議な気持ちになった。
この頃の遥を、私は知らない。
だけど、幽霊として出会った“今”の遥とどこかしら繋がってた……
そう考えると、この頃の遥のことをまるで知ってるみたいにわかるように感じた。
次々と手紙を読んでいく。
他愛もないはなし。
今日の夕飯はオムライスだったとか、国語の時間に怒られたこととか。
それでも気づかってくれてるのがわかって、自然と笑顔になる。
―もしかしたら読まれなかったかもしれない手紙なのに。
たくさんの言葉たちは、花音を心にひとつひとつ染み込んだ。
こう書いては違うと、何枚も何枚も書き直してる姿が浮かぶ。
「遥ならあり得そう」
1人くすくすと笑いながら手を伸ばすと、手紙はそれが最後の1通になっていた。
いちばん新しいそれを破かないようにそっとあける。
かさっと音をたてて開くと、そこに昔より幾分増しになった字が見えた。
自分が知ってる遥と、この手紙を書いた遥は紛れもなく同一人物なんだ。
なんて思うと不思議な気持ちになった。
この頃の遥を、私は知らない。
だけど、幽霊として出会った“今”の遥とどこかしら繋がってた……
そう考えると、この頃の遥のことをまるで知ってるみたいにわかるように感じた。
次々と手紙を読んでいく。
他愛もないはなし。
今日の夕飯はオムライスだったとか、国語の時間に怒られたこととか。
それでも気づかってくれてるのがわかって、自然と笑顔になる。
―もしかしたら読まれなかったかもしれない手紙なのに。
たくさんの言葉たちは、花音を心にひとつひとつ染み込んだ。
こう書いては違うと、何枚も何枚も書き直してる姿が浮かぶ。
「遥ならあり得そう」
1人くすくすと笑いながら手を伸ばすと、手紙はそれが最後の1通になっていた。
いちばん新しいそれを破かないようにそっとあける。
かさっと音をたてて開くと、そこに昔より幾分増しになった字が見えた。