空唄 ~君に贈る愛のうた~
「そうだったね、遥……」


思い出したよ。




「遥は、約束守りに来てくれたんだね」


小さい頃に交わした小さな約束。


私、忘れちゃってたけど

遥は覚えててくれたんだね。



手紙を机に置いて、窓まで歩いていく。

開けると夜でもあつい夏の風が部屋に入り込んできた。


空を見上げると、灯りのあまりないここでは星が幾つか輝いて見える。


その星の中に一際輝く星があった。


名前なんて知らないけど、それが君のような気がして。




「ありがとう……」





君に届くようにそう呟いた。


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