空唄 ~君に贈る愛のうた~
一誠と花音は日取りは決まってないけど、結婚することになっていた。

もうお互いの両親にあいさつもしたらしい。


「でも、2人が幸せになってよかった。香織ちゃん泣かせちゃだめよ?」


意地悪に言ってみせると、一誠は照れくさそう笑ってみせて


「当たり前。幸せにしますよ」


―ここに香織ちゃんがいたら、もう顔真っ赤なんだろうな。

なんて考えながら、きっと2人は何があっても大丈夫だな、って思った。








ふと窓に目を向けると、夏のきつい日射しが店内に入り込んでいた。

太陽はどの季節のよりも、いちばん輝いてる。


「夏だな……」


そうだ。

今日はバイト早めに上がれそうだし、ギターを持ってあの場所に行こう。



今でも大切で、変わらない。

あの場所に。


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