空唄 ~君に贈る愛のうた~
「あぁ~……」


暑い。

だから夏は……苦手だ。

なんでこんなに暑いんだろう。

輝く太陽は眩しい光で、地上を照らす。

ちょっと憎たらしいくらいに。


「花音、そんなにあ~あ~言うなって。余計に暑くなる!」


前に座っていた歩美がくるっとこちらを向き、文句を言ってきた。


「だってぇ~……」

「だってじゃない!今日で学校終わりなんだから」

「ふぁ~い」


花音は、歩美の言葉に気が抜けた声で答えた。

ただ今校長先生の長い長い話しの最中。

ここにいるほとんどの人が、きっと話なんか聞いてないだろう。

みんな明日からはじまる夏休みを楽しみにしてるんだ。

なんたって一ヶ月とちょいあるからね。

楽しみなのが当たり前か。


「ったく。あんたって子は」

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