空唄 ~君に贈る愛のうた~
《消えないキズナの糸 僕らが
二度と逢えなくても
例え地図にない場所でも
君に伝えにいくよ 僕の想いを

きっともう一度
巡り逢えるから――》


「で、できたぁ~!」


ノートを両手に持って、ベッドの上を座って跳び跳ねる。


「やっと出来たよ!あぁ~、嬉しいっ!」


―やっと、自分の作りたい歌が書けた。


最近、うまく書けてなかったから喜びも大きい。


「一段落ついたし、飲み物っと♪」


曲作り中、ずっと歌ってて喉が乾いていたので、
飲み物を飲みに行こうと立った途端、携帯が鳴った。

びっくりして携帯を手に取ると、一誠からの着信。


「もしもし」

「あっ、花音?遅くなってごめんな」


一誠が申し訳なさそうに電話の向こうで謝る。

そう言われて部屋の掛け時計に目線を向けると、時刻は22:30をさしていた。

……いつの間にかこんな時間だったんだ。


「いいよ。全然平気」

「そうか?よかった」


一誠の声が安堵したのがわかった。

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