空唄 ~君に贈る愛のうた~
歩美は呆れたように言うと、前へと向き直ってしまった。


「ねぇ、怒ったの?」


不安になって一応聞いてみる。

すると、歩美がまたくるっとこちらを向き


「ちゃんと話聞きな」

「歩美は、ちゃんと話聞いてるわけ?」

「いや?聞いてないけど」

「えぇ~、何それ!」


その声が大きすぎたのか、しらけた静かな雰囲気に響き渡り


「そこ!静かにするように」


と、校長先生にマイクで言われてしまった。

一斉にこちらに視線が集まる。


「あっ、すいません!」


それに、条件反射で大きな声で謝ってしまい、周りの人たちにくすくすと笑われた。


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