空唄 ~君に贈る愛のうた~
それは暑い暑い夏の日だった。

その年で一番暑いんじゃないかってくらい暑くて、太陽が眩しい日。


私たちはいつものよう公園で遊んでいた。

今日は珍しく砂場を広々と使える。

辺りを見渡しても子どもの姿はない。

どこの家も家族で旅行やら遠出やらしてるんだろう。


「花音、何か飲みたいものある?」


ずっと炎天下にさらされていた為、私もお兄ちゃんも汗だく。

そんな私を気遣って聞いてくれたんだと思う。


「んー..はちみつれもんっ!」


大好きな飲み物を伝えると、お兄ちゃんは笑って


「わかった。花音はほんと、はちみつれもん好きだな。
ほらっ、お兄ちゃん買ってくるから、このベンチに座っとくんだよ」


「はーい」

< 66 / 141 >

この作品をシェア

pagetop