空唄 ~君に贈る愛のうた~
「ぅあ~……太陽は中から見てるだけでいいのに……」

「またそんなこと言って。アイスいらないの?」

「いやっ、いる!」

「じゃあさっさと学校から出ようよ」

「う~」


じりじりと焼ける校庭の砂。

アスファルトは太陽の熱を反射して、自分自身も熱くなっている。

昼過ぎだから、一番暑い頃だ。

そんな光景を下駄箱から眺めて、早数分。


「よし、がんばる!」

「そのいきだ!行こ(笑)」


一歩、日向に出るとくらっと目眩がする。

そして痛いくらいに突き刺さる、太陽光。

日焼けどめ塗ったっけ?


「でも、花音って異常なほどに夏嫌いだよね」


歩美がふと口を開いた。

吹奏楽の楽器の音が耳に届く。

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