空唄 ~君に贈る愛のうた~
そんな私を見て悲しいくらい、切ない微笑みをした。
「かのん、ごめん……な……」
そう告げた途端、握られていた手は力をなくし
重力にならって下についた。
「おにい、ちゃん……?」
生きたように微笑んだまま、けれど、もう二度と目が覚めることのない顔をじっと見つめる。
ちょっと前から涙がずっと、止まらない。
視線をさ迷わせて自分の手を見ると、血で真っ赤になっていた。
それを見ていると、何故か気が遠くなって、お兄ちゃんに寄り添うように倒れた。
瞼がひたすら重く、頭の中は何も考えられなくて、すっと目を閉じる。
遠くからサイレンが聞こえてきた。
どうやら、誰かが通報したみたいだ。
―目を開けなきゃ、お兄ちゃんを助けてくださいって言わなきゃっ……
そう思うのに、ぐんっと何かに引っ張られるように私は意識をなくした。
目覚めた時には、悲しみが待っているとも知らずに―……
「かのん、ごめん……な……」
そう告げた途端、握られていた手は力をなくし
重力にならって下についた。
「おにい、ちゃん……?」
生きたように微笑んだまま、けれど、もう二度と目が覚めることのない顔をじっと見つめる。
ちょっと前から涙がずっと、止まらない。
視線をさ迷わせて自分の手を見ると、血で真っ赤になっていた。
それを見ていると、何故か気が遠くなって、お兄ちゃんに寄り添うように倒れた。
瞼がひたすら重く、頭の中は何も考えられなくて、すっと目を閉じる。
遠くからサイレンが聞こえてきた。
どうやら、誰かが通報したみたいだ。
―目を開けなきゃ、お兄ちゃんを助けてくださいって言わなきゃっ……
そう思うのに、ぐんっと何かに引っ張られるように私は意識をなくした。
目覚めた時には、悲しみが待っているとも知らずに―……