空唄 ~君に贈る愛のうた~
どこかの屋上の塀の上で、佇む1人の少年。

たぶん……感じからして学校だと思う。

下には野次馬な学生達が続々と集まってきた。

それをどこか冷ややかな目で見ている“俺”。

そう、今見ている少年は紛れもなく俺なんだ。

正しく言えば……死ぬ前の“俺”?


『おいっ、やめるんだ!!』


特別、興味なさそうに後ろを振り向くと
偽善と言う名の仮面を被ったおとなが、青い顔をして“俺”を止めようとしていた。

その光景を第3者のように、眺めている俺。

すると


『おい、死んでも何の意味もないぞっ!!だから、なっ?早くこっちに来いっ!』


決まりきったセリフで、“俺”に訴えかける教師達。


―そんなこと言いながら、結局は世間体を気にしてんだろ?




あぁ、そうだ。



そうだった。















そうして俺は、絶望しながら死んでいったんだ――……


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