空唄 ~君に贈る愛のうた~
「花音さ……もしかして、小さい頃のこと。覚えてない?」
「えっ、うん。8歳より前の記憶がないの」
「ふーん……」
遥は、また真剣な顔で考え込むような素振りをする。
「ねっ、なんで知ってるの?覚えてないってこと……」
遠慮がちにたずねると、遥はいつもと同じ調子に戻って
「なぜでしょー?」
と意地悪そうに、にやっと笑いながら花音の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「もうっ、誤魔化すなぁ!」
遥の手を振り払おうとした、その手をぱしっと握られて
花音の心臓がどきっと音をたてた。
「なっ、どうしたの?」
こっちのことなんかまるで無視みたいに、遥はそのまま手を繋ぐと
「花音……」
「えっ、うん。8歳より前の記憶がないの」
「ふーん……」
遥は、また真剣な顔で考え込むような素振りをする。
「ねっ、なんで知ってるの?覚えてないってこと……」
遠慮がちにたずねると、遥はいつもと同じ調子に戻って
「なぜでしょー?」
と意地悪そうに、にやっと笑いながら花音の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「もうっ、誤魔化すなぁ!」
遥の手を振り払おうとした、その手をぱしっと握られて
花音の心臓がどきっと音をたてた。
「なっ、どうしたの?」
こっちのことなんかまるで無視みたいに、遥はそのまま手を繋ぐと
「花音……」