空唄 ~君に贈る愛のうた~
―ほんっとわかりやすい……


いつも余裕な一誠のその反応がおもしろくて、ちょっぴり苛めたくなる。


「そんなうじうじしてたら、他の人に香織ちゃんとられちゃうよ?
香織ちゃんかわいいんだからぁ~」

「んなこと……俺だってわかってるよ」


頬を赤く染めて、少し拗ねたように言う遥一誠みて
やりすぎたかな?と、少し反省。





しばらくして、残っていたお客さんの会計をすまして


「ありがとうございましたーっ」


と、それを見送った後、振り返ると一誠がじっとこちらを見ていた。


「何?」


きょとんとして聞くと、どこかやさしい目で笑って


「お前も、恋してるんだな」


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