空唄 ~君に贈る愛のうた~
ごちゃごちゃした気持ちを連れたまま、自分の部屋のドアを開ける。


「あ゙ぁ~」


変なうめき声をあげながら脱力して、ベッドに倒れ込む。

頭が重い。

体調が悪い時とは違う、もやもやした何かが頭の中を渦巻いてるって感じ。

時計になんとなく視線を向けると、時刻は9:00を少し過ぎたばかりだった。


「今日はもう、寝ようかなぁ……」


ぼそっと呟いて、ベッドの上に投げてあった携帯に手を伸ばす。

無意識のまま開くと、着信ありと表示されていた。


「誰だろ?」


みてみると……歩美?

どうしたんだろう?と思いながら、すぐにかけ直す。


『はい』

「あっ、歩美。電話くれてたみたいだけど、何、どうかした?」

『花音っ!いや、ちょっとはなしたいなぁって思ってかけてみたんだ。大丈夫?』

「うん、平気だよ」


久しぶりの友だちの声は、なんだか落ち着けた。

くだらないはなし。

だけど、すごく楽しくて……心から素直に笑ってる自分がいた。

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