空唄 ~君に贈る愛のうた~
「えっ!あの花音がっ?!
ちょっと~、相手どんな人よ。あたし知ってる?」


電話から聞こえる歩美の声が、とてもわくわくしてるのがわかった。

女の子はみーんな、恋ばな好きだから……


「んー、歩美の知らない人。てか、誰にも教えてない」

「何それっ!余計に気になる」

「まぁまぁ、私のことは置い……「とかずに、どんな人なの~?」


どう言っていいかわからなくて、誤魔化そうとしても
歩美は簡単には折れない。

ふぅ、と小さくため息をつく。

そして意を決して


「歩美、今から私の言うこと信じてくれる?」

「えっ?なにっ」

「だからっ!私今から変なこと言うけど、聞いてくれるかな……?」


花音にしては珍しい強い口調。

歩美は一瞬驚いたけれど、


「うん、花音のはなし聞くよ」


無意識に寝転がってた体を起こして、ベッドの上にきちんと座る。

すると、それでも躊躇したように花音は口を開いて





「あのねっ、私の好きになった人……











幽霊なんだ――」

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