空唄 ~君に贈る愛のうた~
「うん、そっか。
なら花音は一体何に悩んでるの?」

「何って……」


歩美はまるで花音に続きを促すように、沈黙になる。

ふぅ、と小さく息を吐いて


「私がいくら好きで、遥も私のことを好きって言ってくれても。
所詮、叶わない恋なんだよ」


語尾の方になると、どんどんしりすぼみになっていく。

いつも強く意思を持ってる歩美とは違い、生憎花音はそんな心の強さは持ち合わせていなかった。


「ねぇ、花音。
叶わないなんて、誰が決めたの?」

「誰って……」

「それを決めたのは花音でしょ?」


そう言われて言葉が詰まった。

叶うはずがないと、そう決めたのは紛れもく私だ。

でもそれは普通に考えてこの恋は、ありえない恋だと思うからであって。

諦めたとか言う訳じゃない。

諦めた訳じゃ……



「逃げちゃだめだよ。
いちばん終わりが恐い花音が、真っ先に終わりを決めちゃだめ。
それにね、例えそばにいれないからって恋が終わった訳でもない。
花音のその恋はもう……叶ってるよ」

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