初恋 ―約束。―
そんなこんなであたしはバスに乗り込み、また病院へ向かった。
窓の外を流れる景色をみながらあたしはぼぉっとしていた。
葉月には悪いけど、葉月が退院したら…
もう二人だけで会う時間なんてない…よね。
しかも、メールする口実もなくなるし…。
もう~~っ!なにこの複雑な気持ちっ!!!!
<次は○○病院前、○○病院前…>
ピンポンとあたしはボタンを押した。
「…ふぅ。」
じりじりと焼けつくような太陽。
耳に直接入ってくるセミの声。
ホントだったらあたし、目いっぱい避ける場所なのに、
葉月がいるからっていう理由だけで頑張れちゃう。
恋ってすごいな…。