初恋 ―約束。―

鮮明に蘇る記憶。



『どうして泣いてるの?』

『夏鈴ね、いつも一人なの…っ』

『…そうなの?』

『うん。ママとパパの仲が悪いの。だから夏鈴一人なの。』

『そっか。でも、もう僕たちは友達だよ。だから、もうだいじょうぶだからね』


そういってあの子もにこっと笑ったんだ。




「…」


ぼーっとしているあたしを見て、二人ともきょとんとしている。


「…そうだ、先輩っ!どうして夏鈴ちゃんにあんなことするんですかっ!?」

「…やっぱ?好きだし?」


「好きでもやっていいことと悪いことがあるでしょう!」


瑛也君は本気で怒っているようだった。



「…だってぇ」


先輩はどなられてしょぼんとしている。


「だって、じゃない!!!」


瑛也君、こわっ!って、あれ?






「はっ、葉月っ!?」



葉月も来た。てか、なんで?



「夏鈴に手、出すと後が怖いっすよ?先輩♪」

「そうですよ♪僕らの夏鈴ちゃんですからね♪」



…二人の脳殺スマイル。

言葉がなければ全国のいや、世界中の女の子たちは倒れてしまうような図。



< 137 / 201 >

この作品をシェア

pagetop