初恋 ―約束。―
葉月はきっとあたしのことなんて眼中にないんだろうなぁ…と思っている。
「葉月は、きっと他の人のほうが好きなんだろうけどね」
と自虐交じりに言うと、二人は
「いやいやいやいやいや」「そんなことないよっ!だって夏鈴ちゃ…」
愛が何か言いかけたところでみきが愛の口をふさいだ。
「んぐっ!もがっ!」
苦しそうにもがもが暴れる愛を見て、「離してあげなよッ!みき!」というと、
「あ、そっか。愛、ごめん」
やっとみきの手から解放された愛はぜぇぜぇと荒い息をしている。
あたしはそんな二人の姿をみて、なぜか笑いが止まらなくなった。
こんな素敵な親友二人に囲まれて幸せだなーっ、あたし。