初恋 ―約束。―




そして教室。



「はづ…」


「あっ!葉月くーんッ!!葉月君って、優しいんだね?」

一人の女の子が優しい声を出す。

「は?何が?」

もう一人の女の子が可愛くふふっと笑って、

「やだなぁ、夏川さんに教科書貸して、自分が怒られたんでしょ?すごくカッコいいよ!」



「…何アレ…」

「うわー…。葉月ってあーゆーの嫌いだからねー」


「…あ、そっか、みきっておさななじみ?だっけ?」

「ま、そんな感じかなー」



「…ていうか、どうしよ…」


「…ふん、ほらっ、どーんといってこいっ!!!」



どん!と女子の中に押し込まれるあたし。


「きゃぁっ!」


やばっ!こける…!このままこけると頭を机の角で打ってしまう…!



「夏鈴!」




ぽすっ…



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