初恋 ―約束。―
「っるせーな!」
「すみませ…って葉月っ!?」
「謝るのとか無理なのかよー?」
おどけた口調であたしをからかう葉月。
「…っだって…」
また葉月ははぁ、とため息をつく。
「もう別に怒ってないけど?」
「…!」
「てか、最初から怒ってねーけど…なんかいらいらしてて、わり。」
「…お前なにわらってるんだよ。気持ち悪いぞ」
「ふふふーん、別にィ?」
よかった、よかった、よかった!
やっぱりお前ってバカな、と葉月があたしの頭を小突いた。
「いった!」
「俺に仕返しできるんならしてみろよー」
そのあと廊下にあたしたちの笑い声が響いた。
それは余鈴が鳴るまで消えることはなかった。