初恋 ―約束。―
走って走って走った。
公園に着いた時遠くであたしにむかって手を振る人影が見えた。
「僕だよー」という瑛也君の声がした。
瑛也君のもとに走っていくと、
「夏鈴ちゃん。どうしたの?葉月は?」
「瑛也く…っ」
「なんで泣いてるの?葉月が何かした?」
「…ちがっ…けど…っ」
瑛也君は優しく笑ってあたしの目を見つめた。
「僕はさ、まだ探してるよ?」
「え?」
「小さい頃、一緒に遊んだ女の子のこと。」
「…」
「好きだったから。いや、今も好きだよ。」
「瑛也君…?」
そういうと瑛也君はあたしをぎゅっと抱きしめた。