初恋 ―約束。―
窓があるはずなのに薄暗い長い廊下を一人でとぼとぼと歩く。
やっと出口らしきものが見えて安心したそのとき。
足にちょんと何か当たったような気がした。
下を見ると。
それはそれは大きな蜘蛛。
あたしは虫が大っきらいだ。
「いっいやぁぁぁっ!!!!」
薄暗くてなにも見えなくて、
あたしはまるで小さな子みたいにこけてしまった。
「もぉ~~~っ!」
…まだ蜘蛛いるかな…
あたしはついに座り込んだ。