初恋 ―約束。―
高校に入ってすぐはまだそんなに好きじゃなかった。
あのことは気づいていたけど。
でも、夏鈴ちゃんの
笑顔に、
人柄に、
そして明るさに僕の心はどんどん惹きつけられていった。
でも、あのとき夏鈴ちゃんが言った一言で僕はどうしようもなく傷ついた。
「葉月のことが好き」
その一言を聞いた瞬間僕は葉月を夏鈴ちゃんの記憶から消してしまいたかった。
僕としか出会ってないことにできれば、と何度も思った。
でもそんなこともできない僕はただただ傍観者として二人の距離が近づくのを何もできないままみていた。