初恋 ―約束。―
「俺は桜田 葉月。」
「桜田…って瑛也君の弟!?」
「あぁ。じゃぁ俺様がお前の名前を当ててやろう!」
「はぁ?何言ってんの?あたしとあんたは初対面で――!!」
「夏鈴。夏川夏鈴」
「なんで知って…」
「葉月さまだからだよ♪ほら夏鈴、さっさと教室行こうぜ☆」
あたしは無理やり腕を掴まれてぐいぐいと教室へ連れて行かれた。
がらっ
「葉月!お前夏鈴ちゃんになにしたの?」
すると瑛也君は私のほうを向いてにこっと笑って、
「ごめんね、夏鈴ちゃん。こいつに何かされなかった?」
「うん、大丈夫。ありがと」
私も大丈夫だよっとにっこり笑ってみせると瑛也君は「よかった」と呟いた。