初恋 ―約束。―
「もしもし?夏鈴ちゃん?愛だよ~」
「うん、知ってる(笑」
あたしは無理やり笑った。
そうでもしないと泣きそうだったから。
恐怖に押しつぶされそうだったから。
「ねぇ、じゃぁさ、夏鈴ちゃん暇になったでしょ?遊ぼうよ、私と」
えっ―――
「うーんどうしよっかなぁ」
「最近学校じゃアイツが邪魔してて話せないじゃない?だからお話したいな、と思って」
「…アイツって」
「みき。中島みきよ。あたしの夏鈴ちゃんを奪って…。ホントはいやなんでしょ?」
「…そんなことないよ?みきもいい人だし」
「イイ人?あははっ、夏鈴ちゃんって素直だね。あんなの作りものに決まってるじゃない!」
「愛―――?」
おとなしかった愛の口調が一変した。
「私っ聞いたのっ!みきのやつ…夏鈴ちゃんの悪口言ってたんだよ?!」
「あ…たしの悪口…?」
「そう。〝いつもいつもヘラヘラしててウザい。あたしの葉月たちをとらないでよ、ブスのくせに〟って、独り言言ってた。私偶然聞いちゃったの。」
「嘘…でしょ?」
「嘘じゃないよッ!私夏鈴ちゃんだけが友達だって思ってるんだよ?なんであんな奴とンかよくするの?ひどいやつなのに…っ」
愛は泣き始めてしまった。