初恋 ―約束。―

「あのね…愛。愛とみき。どっちがホントのこと言ってるか、あたし知りたいの」

「あたしに決まってるでしょ!」「夏鈴ちゃん、信じて!私よ」


二人の顔はすごく必死で、

今すぐにでも、もういいよ、と二人の肩を抱いてしまいそうだ。

でも、それじゃダメなんだ。

〝あの子〟が言ってたこと。

もう一つ思い出したから。


〝自分が気になることは放っておいたらダメだよ。ちゃんと自分の目で、耳で確かめないと。〟


あたしはもうみきの話を聞いた時点でどちらが嘘つきか。

予想はついていた。




嘘つきは







愛だ。




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